ノマドで働くWebデザイナーの日記

いつものカフェで今日は何を思う

奇跡はある

うちの子は成長が普通の子よりも遅く、経過観察のような形で1歳になった今まで何度も検診に通ってきました。そして、つい2週間前くらい、4月から通い出した保育園での健康診断があり、たまたまその日は妻が高熱を出して会社を休んでいた日だったので、お迎えは自分が担当。すると園所属の看護師さんに呼び止められて、5,6個は病名が書いてあった紙を見せられました。その健康診断で園のかかりつけ医さんから下された診断が「脳性麻痺の疑いがある」ということでした。5,6個書かれた病名にも疑いがあると言われ一瞬にして頭が真っ白になりました。この結果をどう妻に伝えればいいのか?想定はしていたものの、いざ言われると何をどうしていいものか、話を聞きながらも、この話は真実ではない!と自分に言い聞かせるのがやっとでした。娘を抱っこ紐でかかえながらの帰り道、普段の道ではなく人の少ないルートで遠回りして帰りました。なんかすぐに家に帰れなかった。。高熱を出している妻に今日伝えるべきなのか否か、答えがみつからないまま家についてしまいました。

妻はもちろんこの日が健康診断だということを知っているので、帰ってそうそうに診断がどうだったかを尋ねてきました。もう嘘を突き通せそうも無いし、そもそも私は嘘をついても妻には一瞬でばれるので、言われたままを伝えました。一番聞きたく無かった結果を伝えなくてはならないのは本当に辛い。その日だけはひたすら悲しくて、お風呂に入った瞬間に涙が止まらなくなって、自分の事以外でこんなにもやるせない気持ちになったのは生まれて初めてだったかもしれません。

それからの2週間は家の中が大きく荒れました。園医の診断は確定された結果ではないので、わずかでも希望を探したい自分に対し、誰よりも多く娘と接している妻の計り知れない心配から生まれる絶望が衝突。大きな声を出して喧嘩する日も数えきれず、でもそんな時に娘が泣いたり笑ったりして私たちの仲裁に入ります。二人揃って「ごめんね、もう喧嘩しないよ」と娘に謝ったりして、でもまた翌日も喧嘩して、みたいな日々が続きました。

でも悲しいことばかりではありませんでした。保育園の健康診断を終えてから娘の成長が急激に進んだのです。おすわりをさせてもすぐに手をついてしまう状態だったのが長時間座れるようになったり、ハイハイのスピードが劇的に速くなったり、つかまり立ちが出来るようになったり、あとはハイハイから座る体制になるのがなかなかできなかったのですが、それがようやく1回はできたり!ひとつひとつ出来るようになるたびに娘のがんばりを感じて、自分たちもヘコタレている場合じゃないなと。もはやどんな結果がでようとかまうもんかという気持ちにさせてくれました。そもそも生まれてきてくれただけでありがとうな存在ですから、標準の子がどうだとかそういう比較される人生とは早々に縁を切る、もうそういう覚悟で進むしかない。

そして、いよいよ今日、すごく重要な検診です。保育園のかかりつけ医はあのような診断を下しましたが、私たちが普段診てもらっているのは日赤の神経発達系の部長先生で、この先生が今日下す診断が全てだと思って検診に向かいました。希望という言葉を使うのも恥ずかしいですが、もう希望しかないんですよね。願うしかない。

最近の状況を問診しながら、足を触ったりお腹を触ったり、最近これができるようになったとかそういうことを伝えつつ、保育園のかかりつけ医の下した5,6個の病名のリストも恐る恐る手渡しました。すると先生ははっきりと言ってくれました。「この娘は脳性麻痺では無いと思う、脳性麻痺とは違う」(泣)そして、脳性麻痺ではない理由を私たちに教えてくれました。発達が遅いことは遅いけど、発達が遅いだけで脳性麻痺というわけではない。1歳で多くの赤ちゃんは立てるようになるし、1歳2ヶ月くらいで8割くらいは立てるようになる、でも1歳半くらいまでに立てるようになれば問題はない、とまで言ってくれました。今つかまり立ちまでできるようになってきた娘にはもはや不可能ではありません。MRIで見なくていいのか?という私たちの問いも一蹴されました。9ヶ月検診の時点で実はすでに脳性麻痺の疑いがあったので1度MRIをとっており、その結果は白。その結果と今のこの成長状態を総合的に見て、MRIをとる必要すらない、そんな風に私は感じ取りました。これだけの権威のあるベテラン先生が言うのならばもうそれを信じないで何を信じましょうか。診断は下りました、私たちの娘は脳性麻痺ではない!

うれしいのはもちろんですが、安堵の気持ちでいっぱいです。私の両親や姉も我が子のように心配してくれていたみたいで、電話で今日の診断のことを伝えました。その他にも一部の友人には娘の状況を話していたので、あとでじっくりと聞いてくれたことのお礼を言いたいと思います。でもなんといいましょうか、子育ては健常な子であってももちろん大変ですが、普通とは違う問題を抱えての子育てはすっごいタフな毎日を強いられるんだなと改めて思いました。母親の場合は、自分のお腹から生まれてきた子供ですから父親以上に心配でしょうし、なにか問題があればきっと自分を責めてしまうでしょう。まさしく一心同体であると言えます。父親の場合は、当然母乳をあげることもできませんし、なんだかんだと仕事もしなくてはならないので、なんもできないけどできることはなんでもやらなきゃいけないような状況、でも仕事もやんなきゃで家事が手伝いきれず妻ともめたり、、、でも男としてじゃあ何が正解なのかなって考えたら、仕事も家事も育児もどれに対しても言い訳をしないということなのかなと。全部をやることは到底無理だという現実を理解しつつ、言い訳しないでただガンバル、やれなきゃ謝る、ミスれば謝る、言い訳だけはしない、頑張れるだけ頑張る。妻娘の分も頑張るのは父親だけでいい、そんな気概で父親業を今後はやっていきたいと思います。かっこいいように言ってますが、娘のことがあって、それに反応する妻を見てきて、妻と子供はセットなんです。見えてないけどへその緒は切れた後もずっと繋がっている、そんな感じです。見えないへその緒を守るのが父親である、今の私はそう確信しています。

娘が歩けるようになったら盛大にお祝いをしたいと思います。1歳の誕生日は健康診断の直後でもあったので、もうそんなお祝いできる状況ではなく(それでも1歳は1歳なので楽しくやったけど)あらためてこの娘の成長がワンステップ進んだら、このブログでも報告します、そして祝いたいと思います。よりによって今日から東京は梅雨入りですか、、、やっぱり、はじまりはいつも雨なんですよね〜。あっ